粉瘤とわかるまで
自分がなるまで「粉瘤」なんて聞いたこともありませんでした。
私は、2009年8月から完治まで8ヶ月も粉瘤に悩まされました。
最初の異変 -粉瘤にオロナインは効く?-
お風呂上りに体を拭いていたら、お尻と左太ももの境目あたりに、ふっくらと出来物ができているのに気づきました。ニキビかな?と思い、オロナインを毎日塗るようにしました。
ニキビならオロナインでだいたい治っていたんですが治りません。
押すと少し痛みも感じるようになってきました。
近所の皮膚科へ
アカン…なんか大きくなってきた…どうもおかしい。2009年8月の状態です。
いつも病院前には自転車がいっぱいで混雑してて、ということは評判がいいのかな、と思い、2009年8月上旬頃、近所の皮膚科へ行くことにしました。
何か虫にやられたんだね。
草むらとかに行かなかったかい?
いや、行ってないです…..
かゆみもないんです。
虫刺されではないと思うんですけど…..
塗り薬出しておきますから様子みてくださいね。
虫刺されってなんやねん!絶対ちゃうやろ…
この年(当時30半ば)になってそんなとこ露出状態で草むらなんか行くわけないやろ…なに言うてんねん!
アカンわ、この先生…
診察はあんなに待ったのに数分で終わりました。
そして、もらった塗り薬を塗りましたが一向に良くなりませんでした。
大学病院の皮膚科へ
ぜーーーーーったい虫刺されじゃない!
紹介状はなかったけど、お金がかかってもいい。
何でもいいからどうにかしてくれーーー!
その思いだけで、すがる思いで2009年8月下旬、大学病院へ行きました。
ゲッ…
また爺ちゃん先生や…大丈夫かな?
あ、これは「粉瘤」だね。
夏の疲れが出たのかな?
病名でましたーー!
原因はわからないそうで、誰でもがなるそうです。
防ぎようがないってわけです。
その場で切って中身を出して欲しかったのですが、抗生物質をもらい様子を見ることに。
抗生物質では治りませんでした。
いざ粉瘤手術
日帰り手術も選べましたが、粉瘤が大きいので、麻酔が切れた後にひどく痛むかもしれないよ。1日入院の方が安心だよ、と先生が仰るので入院することにしました。
ところが、安いベッドは空きがなく、ようやく切ってもらうことになったのは2009年10月です。
色が少しどす黒くなってきているようでした。痛みもありました。
結局、ナント!1泊10,000円の部屋に入院することになりました。
高くても何でも、とにかくこの痛みから解放されたい一心でした。
手術日まで
手術日までずっと、仕事には毎日行っていました。自転車を片道7.5km漕いで!
粉瘤は押されると痛いんですが、ちょうどサドルから少しずれたところだったのでできた話です。
会社のイスは半ケツ状態で座っていました。
手術日
2009年10月23日(金)
手術自体は30分程度だったと思います。
先生はこれまで診察をしてくれていた爺ちゃん先生ではなく、若い女の先生でした。
助手は若い男の先生が2人でした。
粉瘤の場所が太ももに近いお尻?という場所だったので、T字帯とやらをまかれました。
結構屈辱…(-_-;)
なんでこんな場所にできてしもたんやろ…
大学病院なので仕方がありませんが、写真を何枚も撮られました。
事前にネットで、局所麻酔が痛い!というのを見ていたので覚悟していましたが、私の場合は、局所麻酔より麻酔が切れた後の方が痛かったです。
手術中は先生の話声も聞こえるし、ガリガリとほじくっている様子もわかります。
うつぶせの状態なので首が痛くなり、何度も首の向きを変えました。
摘出した粉瘤を見ますか?と聞かれたので見せてもらいました。
携帯で写真を撮ってもらえばよかったと後悔しています。
直径7cmの粉瘤でした。
手術中の痛みはありませんでした。
だが、しかーし!
消灯後の夜!患部が痛くて寝れません!
2人部屋でもう一人の女性の方に迷惑がかかったら悪いと思い我慢していましたが、どうにもこうにも耐えられず、とうとうナースコールを押し、痛み止めをもらうことにしました。
その後、少し眠っては起き、を繰り返し朝が来ました。
手術日翌日
2009年10月24日(土)
午前中に診察でした。
患部はキレイで大丈夫だという事で、予定通り退院です。
月曜日にもう一度消毒に来るように言われました。
お風呂には入れません。
眠れないほどのあの痛みはありませんでしたが、やっぱりそれなりの痛みはありました。
通院
2009年10月26日(月)
午前中、会社の健康診断があったため休めず、午後半休を取って病院へ。
患部のチェックと消毒をしてもらい、ガーゼに変わりました。
この状態 ↓ でならシャワーを浴びてもいいと言われ、
シャワーを浴びた後は塗り薬を塗って、病院で買った大きな絆創膏をするように言われました。
患部はこんな状態になっていました。結構キレイです。
抜糸
抜糸前日の夜の状態です。
2009年11月4日(水)
抜糸しました。
抜糸はチクチクするだけで、特に痛みもなく、午前中に抜糸して午後には出勤しました。
大きな絆創膏から薄いマイクロポアというテープに変わりました。
病理の結果、摘出したものはやっぱり良性で、悪性のものではなかったよ、と先生が教えてくれました。私は「悪性」という心配を全くしていなかったので、これが悪性腫瘍だったら大変なことになってたな…と初めて怖さを感じました。
抜糸も済んだし、もう後は傷口が落ち着くのを待つだけ。
そう思っていたんですが、ここから新たな闘いが始まることになるのです。
患部の異変
お風呂上りには薬を塗って、テープを貼っての毎日になりました。
2009年11月6日(金)
患部の真ん中のあたりが赤い気がしました。
少し痛みもありましたが、抜糸の時に先生は何も仰らなかったしそのうち落ち着くだろうと思っていました。
入院やら通院やらの日々が続き、たまには映画にでも行こうと、この日曜日に夫と映画を見に行きましたが、その日、患部が熱を持ったように痛くなり、座っているのがつらく、映画の内容を覚えていません。
やっぱりなんかおかしい。
手術の傷口が膿む
2009年11月10日(火)
熱を持ったような痛みが続いていました。
いつものようにお風呂上りに薬を塗ろうとしたら、なんかトロッとしたものが!
赤くなっていたところから膿が出てきました。
リンパ漏、瘻孔
2009年11月11日(水)
膿んだ翌日、出社しましたが事情を説明の上、早退させてもらい病院へ。
手術した部分は、ちょうどリンパが流れているところで、リンパ液が漏れだしたとの事、「リンパ漏」というらしいです。
2009年11月12日(木)
翌朝も病院へ消毒へ行かなければなりませんでした。
また毎日大きな絆創膏をすることになりました。
リンパ液が漏れだしているのがわかります。
毎晩の処置 ーこれが痛い!ー
リンパ液が漏れだしているので、下の写真のように傷口に穴が開いています。
毎晩お風呂上りにその傷口に細い綿棒を突っ込んでキレイにし、塗り薬を塗らなければならなくなりました。細い綿棒は赤ちゃん用の綿棒として売っています。
自分で手が届くところではありません。
怖いからイヤだと言う夫に頼むしかありませんでした。
これが痛いのなんのって!
そりゃそうです、傷口に綿棒突っ込まれてホジホジされるんですから!
毎晩ギャーギャー言っていました(笑)
キレイに処置してもらうと、穴がきれいに見えるようになります。
傷口から糸が出てくる
2009年11月17日(火)
いつものようにお風呂上りに夫に処置をしてもらっていました。
なんか黒いものが見える!!
え?やめて…何?何?
げっ!糸出てきてるやん!!
中で縫った糸は自然に溶けるって言うてた気がするんやけどな。
2009年11月18日(水)
こりゃ大変!とまた病院です。
リンパ液ですぐに見えなくなってしまうため、上の写真を先生に見せました。
こっちは素人なので大慌てでしたが先生はあまり心配してなさそうでした。
週1の通院
毎晩のリンパ漏の処置が続き、1週間に1回の通院が続きました。
夫はすっかり処置になれた様子でしたが、私は痛くてギャーギャー言う代わりにタオルを口に挟んで耐えていました(^^;
傷口はこんな感じに少しずつ落ち着いてきました。
月1の通院
1月上旬の通院をもって、月1の通院に変わりました。
もうこの頃には綿棒を突っ込めるほどの穴の大きさはなく、小さくなって埋まりつつありました。塗り薬だけでよくなっていました。
痛みもありません。
傷口が治るときの痒みがありました。
2010年2月1日(月)通院
2010年3月29日(月)通院をもって、私の粉瘤との闘いは終わりました。
コープ共済からおりた粉瘤に対する保険料
私はコープ共済の「L2000円コース」というのに入っていました。
診断書の手術名称には「皮膚腫瘍摘出手術(非露出部3-6cm)」と書いてありました。
入院手術代で私が支払った額は50,950円でした。
通院費や絆創膏代等、小さな額が結構かかり、
コープ共済から保険が下りたのは31,000円でした。
その年、確定申告で医療費控除を申請し、戻ってきたのは5,250円でした。
まとめ
当時勤めていた職場の同僚のご主人は、背中に大きな粉瘤が2回もできたそうです。
私は粉瘤からリンパ漏にもなって大変だったので、2度と粉瘤にならないようにするにはどうすればいいのか先生に聞きましたが、原因がはっきりしないからわからないとの事でした。
どなたか粉瘤に悩まされている方の参考になれば幸いです。